越境カンファvol.5 多視点報告
第5回越境カンファでは、「持続可能性×食の価値」 をテーマに多種多様な視点・切り口でディスカッションを行いました! 今回はカンファで出てきた注目のトピックの要約をそれぞれご紹介していきます!
第5回越境カンファでは、「持続可能性×食の価値」 をテーマに多種多様な視点・切り口でディスカッションを行いました! 今回はカンファで出てきた注目のトピックの要約をそれぞれご紹介していきます!
越境カンファvol.5 概要
第5回越境カンファでは、「持続可能性×食の価値」というテーマのもと、100年後の食生活がどのように変容しているのか、3人のプレゼンターを軸に話し合いました。
🥬プレゼンター: Minori Fujisawa(フランス/微生物・発酵食品), Mio Takatori(フランス/植物代謝学), Yoshida(オーストラリア/野生動物保全)🐄
食にはいろいろな役割があります。
私たちの栄養となるのはもちろん、さまざまな国・地域・時代を超えて文化や伝統を伝える媒体となったり、一人一人の生き甲斐や暮らしのあり方に影響を与えています。また、楽しい食事を過ごした日は、なんだかいい気分になったりすることもありますよね。
このような多様な価値(役割)を持った食に関して、今回は、食べることが大好きなトビタテ生から始まった有志団体「たべるをたどる」のメンバーが登壇し、それぞれの考える食についてお話ししました。
トビタテ事務局インターンとして食のイベント企画運営を行う藤澤さんからは伝統野菜と食文化について、獣医学部で畜産を学ぶ11期の吉田さんからは食の生産現場について、留学をきっかけにフレキシタリアンになり食と向き合うワークショップを主催する高取さんからは自分と世界をつなげる食育について紹介していただきました。
私たちは畜産を続けていいのだろうか?
獣医学部で畜産を学ぶトビタテ11期の吉田さんから食の生産現場についてのお話があり、以下のような議論が行われた。
畜産物の消費をやめることで解決される課題の陰に、今畜産動物とともに生きる生産者の生活や、「北海道の牛乳」「鹿児島の牛肉」のような地域に根付いた多様な味、現代の食の多様性が失われるかもしれないという一面を見た。畜産を辞める辞めないの2極化した議論ではなく、生産現場に新風を吹き込み、よりよい生産を目指すべきなのかもしれない。
100年後には肉を知らない世代がいる?!
代替食品が出てきている流れから見て、本物の肉を知らない世代が現れる可能性があるという意見も出た。その世代にとって、肉か代替肉かを選択すること自体がなくなるかもしれない。
プレゼンターのまとめ
資源利用や動物福祉の面から多くの課題を抱える畜産業はその存続が危ぶまれている。カンファの参加者からは、100年後には肉を知らない世代がいる可能性を指摘された。また、100年後の食生活は、今日の私たちの食の選択の積み重ねによって形作られる。
では、私たちは食べものをどのように選択すべきだろうか。多くの課題があるなかで、自身の食の選択基準を「価格」以外にも広げていくことが大切になるだろう。「生産者」「環境」「テクノロジー」「伝統」「こだわり」など。多様な選択肢をもつには、知識と想像力が必要だ。生産と消費の距離が離れ、互いのことが見えづらくなっている今、食に向き合う機会を絶やしてはならないと改めて思う。
「たべるをたどる」は食育を通して、持続可能な食生活を形作るひとを増やしていきたい。